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信書とは。DMで送れるもの・送れないものと、違反したときのリスク

公開日:執筆:東京企画合同会社(先駆けくん運営)
信書とは。DMで送れるもの・送れないものと、違反したときのリスク

宛名(「○○様」)が入っていたり、「ご購入ありがとうございました」のように特定の相手に向けた文言があったりするDMは、信書にあたります。信書を送れるのは郵便と信書便だけで、ゆうメールやクロネコゆうメールでは送れません。

違反すると、郵便法 第76条により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。条文上、送った事業者だけでなく、送るのを頼んだ側も含まれます。一方、街頭や店頭で配る前提で作ったチラシのように、誰が読んでもよい内容のものは信書にあたりません。

信書とは。郵便法の定義とガイドラインの例

信書は、郵便法 第4条2項で次のように定められています。信書便法 第2条1項も、信書をこの郵便法の定義によるものとしています。

郵便法 第4条2項(信書の定義)「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」

総務省の「信書のガイドライン」は、定義の言葉をそれぞれ次のように説明しています。

言葉 総務省の説明(要約)
特定の受取人 差出人が、意思の表示や事実の通知を受ける者として特に定めた者
意思を表示し、又は事実を通知する 差出人の考えや思いを表すこと、または実際に起きた・存在する事柄などの事実を伝えること
文書 人の知覚で認識できる情報が書かれた、紙などの有体物

「文書」の説明のとおり、CD・DVD・USBメモリなどの電磁的記録物は文書にあたりません。データを記録した媒体を送っても、信書の送達にはならないとされています。

判断の中心は「特定の相手に向けて書かれているか」です。紙に書かれていても、誰か特定の人に向けたものでない案内や広告は、原則として信書になりません。

信書にあたるもの・あたらないもの

ガイドラインには、具体的な例が並んでいます。主なものは次のとおりです(総務省「信書のガイドライン」、2026年10月時点で確認)。

区分 主な例
信書にあたる 書状、請求書の類(納品書・領収書・見積書・申込書・契約書など)、会議招集通知の類(招待状など)、許可書の類(免許証・表彰状など)、証明書の類(印鑑証明書・住民票の写しなど)
信書にあたらない 書籍の類(新聞・雑誌・会報・カレンダー・ポスターなど)、カタログ、小切手の類、プリペイドカードの類(商品券など)、乗車券の類、クレジットカードの類、会員カードの類、説明書の類、求人票、配送伝票、名刺など
信書にあたるもの・あたらないもの
信書にあたる
  • 宛名を入れた案内状・書状
  • 請求書・見積書・契約書の類
  • 招待状・会議の招集通知の類
  • 証明書・免許証・表彰状の類
信書にあたらない
  • 街頭や店頭で配る前提のチラシ
  • カタログ・説明書・求人票
  • 新聞・雑誌・カレンダーの類
  • 商品券・会員カード・名刺
出典:総務省「信書のガイドライン」(2026年10月時点)先駆けくん

ダイレクトメールは、ガイドラインの「あたる」「あたらない」の両方に出てきます。同じDMでも、書き方によって扱いが分かれるためです。

DMが信書になるとき・ならないとき

信書になるDM

ガイドラインは、次のどちらかにあたるDMを信書としています。

  • 文書自体に受取人が記載されている文書
  • 商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書

総務省の資料「信書の定義について」(2013年10月)には、例として次のようなものが挙がっています。「○○様」「△△会員の皆様」と書かれたもの。商品を買った人にお礼を述べるもの。会員期限が切れたことを知らせ、継続を案内するもの。誕生日を迎える人に向けた案内。いずれも、差出人が相手を選んで送る文書です。

信書にならないDM

信書にあたらないDMとして、ガイドラインは次の2つを挙げています。

  • 専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなもの
  • 専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの

総務省のQ&A集(2025年6月更新)も、同じ考え方です。店舗やロビーに置いて自由に持ち帰ってもらうような、不特定の人向けのセミナー案内チラシは、取引先に送っても信書にあたらないとしています。反対に、顧客を対象にイベントやセミナーへの参加を勧誘したり依頼したりする文書は、信書にあたるとしています。同じ「セミナーの案内」でも、誰に向けて作ったかで扱いが変わります。

「お客様各位」と書いたら信書になる?

先の総務省の資料では、「お客様各位」は商取引上の慣用語であり、これだけでは受取人を特定しているとはいえないと説明しています。「日ごろ御利用いただきありがとうございます」も、これだけでは利用関係を示す文言にあたらないとしています。ただし、これは慣用語だけの場合の話です。ほかに購入のお礼や契約更新の案内などが書かれていれば、上の条件にあたる可能性があります。

添え状・送り状は例外

郵便法 第4条3項は、運送営業者が他人のために信書を送ることを禁じています。そのうえで、ただし書で「貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない」と定めています。

総務省のQ&A集によると、「無封」とは、封筒などに入れていない状態か、封筒に入れても口を閉じていない状態のことです。総務省の資料「信書の定義について」では、添え状にあたるのは、貨物の目録や性質、使用方法などを説明する文書や、貨物の送付と密接に関連した簡単な通信文で、貨物に従として添えるものとされています。一方、同封した冊子との関係が薄い点検の案内が中心になった文書は、添え状の範囲を超えると判断された事例として挙がっています。

このDMは信書? 判断の流れ
  1. STEP1
    紙などに書かれた文書かCD・DVD・USBメモリなどの電磁的記録物は文書にあたりません
  2. STEP2
    文書自体に受取人が書かれているか「○○様」「会員の皆様」などがあれば信書にあたります
  3. STEP3
    特定の相手に向けた文言があるか購入のお礼や契約の継続案内などがあれば信書にあたります
  4. STEP4
    誰に配ってもよい内容か街頭や店頭で配る前提のチラシなら、原則として信書にあたりません
  5. STEP5
    迷ったら総務省に確認する個別の判断は、総務省の窓口に問い合わせます
先駆けくん

信書を送れる手段・送れない手段

信書を送れるのは、日本郵便の郵便と、総務大臣の許可を受けた信書便事業者の信書便です。主な手段を、各社の公式の記載とあわせて整理します(2026年10月時点)。

手段 信書 根拠・公式の記載
郵便(手紙・はがきなど) 送れる 郵便法 第4条
信書便 送れる 信書便法。特定信書便は下の3類型のどれかに限られる
ゆうメール 送れない 日本郵便は、郵便法 第4条により信書は送れないと案内
クロネコゆうメール 送れない ヤマト運輸は、このサービスでは信書を送れないと案内
宅配便などの貨物運送 送れない 郵便法 第4条3項(無封の添え状・送り状を除く)

ゆうメールは、冊子やカタログなどを送るためのサービスです。日本郵便のお知らせ(2023年12月)では、ゆうメールでは信書を送れないこと、無封の添え状・送り状は同封できることが書かれています。クロネコゆうメールは、ヤマト運輸が預かった荷物を郵便局に差し出し、日本郵便の配送網で届けるサービスで、2024年2月から全国で使えます。扱いはゆうメールと同様とされています。

ヤマト運輸のサービスページでは、送れないものに「信書(お手紙・請求書等)」のほか、印刷を使っていない手書きの紙も挙がっています。一方、注文用の払込書用紙や返信用のはがき・封筒などは、同封できるものとして書かれています。

信書便のうち特定信書便は、次の3類型のどれかにあたるサービスに限られます(総務省「信書便制度について」)。

  • 長さ・幅・厚さの合計が73cmを超えるか、重さが4kgを超える信書便物を送る
  • 差し出されてから3時間以内に届ける
  • 料金が800円を超える

発送方法ごとの費用は、法人向けDMの費用相場で比べています。

違反したときの罰則とリスク

郵便法の罰則

郵便法 第76条1項は「第四条の規定に違反した者は、これを三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。」と定めています。同条2項により、違反で得た金銭や物品は没収され、すでに使ったり譲ったりした場合はその価額が追徴されます。

拘禁刑は、刑法の改正で懲役と禁錮に代わるものとして、2025年6月1日に導入されました(法務省)。古い資料では「懲役」と書かれていることがあります。

頼んだ側も対象になる

郵便法 第4条4項は、次のように定めています。

郵便法 第4条4項「何人も、第二項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し、又は前項に掲げる者に信書(同項ただし書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない。」

第76条の罰則は「第四条の規定に違反した者」が対象です。このため条文上は、信書を送ってはいけない事業者に送るのを頼んだ差出人も、罰則の対象に含まれます。総務省の資料(2013年10月)でも、違反の情報提供があったときは、差出人と送った事業者の両方に行政指導を行うと説明しています。

実際に起きたこと

2015年1月、ヤマト運輸は「クロネコメール便」を同年3月末の受付分で廃止すると発表しました。報道(ITmedia NEWS、2015年1月22日)によると、同社は2009年7月以降、メール便を使った利用者が郵便法違反の容疑で書類送検されたり、事情聴取を受けたりした例が計8件あったと説明しています。法違反の認識がない利用者が容疑者になるリスクを、廃止の理由に挙げていました。

DMを作るときの確認ポイント

宛名を差し込んだ案内状は、郵便で送れば問題ありません。注意が要るのは、ゆうメールや同封DMなど、信書を入れられない方法で送るときです。作る段階で、次の点を見直します。

  • 本文に、送り先の社名や担当者名を差し込んでいないか
  • 「ご購入ありがとうございました」「ご契約の更新時期です」など、特定の相手に向けた文言がないか
  • 会員向けや既存の顧客向けなど、相手を選んだ書き方になっていないか
  • 請求書・見積書・契約書など、信書の類にあたる書類を入れていないか
  • 手書きの一言を添えていないか
  • 街頭や店頭で配っても通じる内容になっているか
同封する前の確認ポイント
文言
  • 本文に社名や担当者名を差し込んでいない
  • 購入のお礼や契約更新の案内がない
  • 会員向け・既存客向けの書き方でない
同封するもの
  • 請求書・見積書・契約書を入れていない
  • 手書きのメッセージを添えていない
  • 誰に配ってもよいチラシになっている
迷うものは同封せず、送る前に総務省や配送会社に確認します
先駆けくん

宛名を入れられなくても、反応を上げる工夫はチラシの中身でできます。見出しや特典、問い合わせ方法の工夫は、BtoBのDMの反応率で紹介しています。

同封DMに入れるときは

同封DMは、複数社のチラシを1つの封筒にまとめて送るDMです。しくみや向いている商材は、同封DM(共同DM)とはで説明しています。

新設法人向けの同封DM「先駆けくん」でも、同封できるのはA4サイズまでの広告チラシ1枚(ハガキなど小さいものも可)で、信書にあたるもの(宛名を入れた案内状など)は同封できません。チラシの内容は、発送の前に確認します。

よくある質問

手書きで一言を添えたチラシは送れますか?

書き添えた内容が特定の相手に向けた意思の表示や事実の通知であれば、信書にあたる可能性があります。また、ヤマト運輸はクロネコゆうメールで送れないものとして、印刷を使っていない手書きの紙を挙げています。手書きの一言を添えるなら、郵便で送る前提で考えます。

請求書を商品と一緒に宅配便で送れますか?

請求書は、ガイドラインで信書の類とされています。ただし、郵便法 第4条3項ただし書により、貨物に添付する無封の添え状・送り状は運送事業者も送れます。総務省のQ&A集では、貨物の送付と密接に関連し、従として添付されるものが添え状・送り状にあたるとされています。個別の判断は、総務省や配送会社に確認してください。

「お客様各位」で始まるチラシは信書ですか?

総務省の資料では、「お客様各位」は慣用語であり、これだけでは特定の受取人を示す文言とは認められないとされています。ただし、購入のお礼や契約の案内など、特定の相手に向けた文言がほかにあれば、信書にあたる可能性があります。

違反したら、頼んだ会社も罰せられますか?

郵便法 第4条4項は、信書を送ってはいけない事業者に信書の送達を頼むことを、誰に対しても禁じています。第76条の罰則(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)は第4条に違反した者が対象のため、条文上は頼んだ側も含まれます。

まとめ

信書は、郵便法 第4条2項で「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定められています。DMは、宛名や特定の相手に向けた文言があれば信書になり、街頭や店頭で配る前提のチラシのようなものであれば信書になりません。信書を送れるのは郵便と信書便だけで、ゆうメールやクロネコゆうメール、宅配便では送れません。違反すると、頼んだ側も罰則の対象に含まれます。判断に迷うものは同封せず、送る前に総務省や配送会社に確認してください。

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この記事は、新設法人向けDMサービス「先駆けくん」を運営する東京企画合同会社が書いています。